複合不況の平成4年
PKO
Peace-Keeping Operation。国連の平和維持活動のこと。1992年6月、PKOや国連の決議等を受けて実施される国際救援活動に、日本の協力体制を整備するためPKO協力法(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律)が制定された。
育児休業
出産後、職場での身分や地位を保証したまま、一定期間休業できる制度のこと。4月「育児休業等に関する法律」が施行された(従業員数30人以下の事業所は3年間猶予)。使用者は、従業員が満1歳未満の子の育児のための休業の申し出をした場合、これを拒むことができず、また育児休業を理由としてその従業員を解雇することはできない。1995年改正、99年「育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」と改称。2018年現在は、育児休業期間中は雇用保険から育児休業給付が支給され、健康保険・厚生年金の保険料も免除。
複合不況
1990年から続く不況の呼び名。従来の不況とは根本的に違い、在庫や設備調整などの循環的要素にバブル後遺症が重層的に複合・連動した結果だとしたもの。6月に発表された、宮崎義一著の経済書『複合不況』は、内容の鋭さで日本国中に衝撃を与えた。「バブル調整不況」や「バブル崩壊不況」ともいう。
生活大国構想
1991年11月にスタートした宮澤喜一政権は、「生活大国構想」を掲げた。これを受けて経済審議会は、6月に「生活大国5カ年計画――地球社会との共存をめざして」をまとめた。計画の目玉は、計画期間中に1800時間程度への労働時間の短縮、勤労者世帯の平均年収の5倍程度を目安とする良質な住宅提供、および利用者の立場からみた社会資本の整備目標の三つ。しかし、在任中に成果を示すことはできなかった。
カード破産
わが国でのクレジットカードの発行枚数は、1992年3月末で2億399万枚。一方でカードの使い過ぎなどによる自己破産(カード破産)の申立ては約4万3000件にも及んだ。“気軽にクレジット”のうたい文句に乗せられて、気が付いたら家計は火の車、後は自己破産しかないという人が急増。日本クレジット産業協会は、加盟各社に、利用限度額を特に若年者には大幅に引き下げるように通知した。2018年現在、貸金業法適用外の銀行カードローンが問題視されている。
宇宙授業
日本人初の本格的宇宙飛行士・毛利衛さんが、最初に地球に送ったメッセージは、北海道余市町立黒川小学校の子どもたちへ向けたものだった。「宇宙から見た地球に国境はありませんでした」という毛利さんの言葉を地球で聞き、素朴な質問を投げかける子どもたちの姿をマスコミは「宇宙授業」と呼んだ。
いままで生きてきた中で…
バルセロナ五輪、水泳女子平泳ぎ200メートルで、無名の14歳の少女が世界の頂点に立った。五輪競泳史上最年少の金メダリストに輝いた岩崎恭子の第一声「いままで生きてきた中で一番幸せ」が流行語になった。
ユーゴスラビア紛争
ユーゴスラビアにおける内乱は、1991年6月に独立を宣言したスロベニア、クロアチアに対して連邦軍が武力行使を行ったことから始まった。しかし、時間が経過するにつれて、しだいにセルビアとクロアチアの領土紛争の様相を強める。92年にはボスニアも独立。同時にセルビアがモンテネグロとともにユーゴスラビア連邦共和国(新ユーゴ)として独立し、旧ユーゴスラビアは完全に崩壊した。
きんさん・ぎんさん
名古屋在住の100歳の双子姉妹「きんさんぎんさん」(成田きん、蟹江ぎん)が、ダスキンのコマーシャルに登場。「きんは100歳、ぎんも100歳」「うれしいような、かなしいような」と名古屋弁で話すこのCMが大人気。ユーモアたっぷりのかわいいおばあさんぶりで、長寿姉妹は文句なく国民的アイドルに。