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ことばでたどる平成

安全神話崩壊の平成7年 

世界貿易機関(WTO)

GATTウルグアイ・ラウンドの終結にともない、新しく国連の関連機関の一つとして設立された。世界的な地域主義、保護主義の台頭の下で、グローバルな貿易進展の枠組みが設定されたことになる。

阪神・淡路大震災

1月17日、神戸を中心とする阪神・淡路地域を大地震が襲った。地震による被害は死者6434人、負傷者4万3792人、行方不明者3人。死者の9割近くは自宅で倒壊した家屋の犠牲になった。高速道路の倒壊、密集市街地における延焼、ボランティアの活躍など、都市災害対策への多くの教訓を与えた。

金融破綻

1995年はコスモ信組、兵庫銀行、木津信組、大阪信組など、金融機関の経営破綻が相次いだ。不動産関連融資を中心に多大な不良債権を抱えて経営難に陥った兵庫銀行と木津信用組合に対しては、8月30日、大蔵省と日本銀行が、自主再建が困難と判断して破綻処理に踏み切った。兵庫銀行の破綻は戦後初の銀行倒産であり、金融界だけでなく、「銀行不倒神話」を信じる国民にも大きな衝撃を与えた。

積極的安全保障/消極的安全保障

4月、核保有国(アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランス)は非核国の核安全保障について、積極的・消極的両面で責任を負うことを明らかにした。積極的安全保障とは核兵器によって非核保有国に脅威が発生したり、攻撃された場合、核保有国が援助することを指し、消極的安全保障とは核保有国は非核保有国に対して核兵器を使用しないことを指している。

地下鉄サリン(殺人)事件

3月20日に東京で起きた無差別殺人テロ事件。朝8時ごろ、地下鉄「霞が関」駅に向かう、日比谷線、丸の内線、千代田線の3路線計5台の車両内で、オウム真理教団の実行メンバー5人がナイロンポリ袋入りのサリンを床に置き、先を尖らせた傘で突き刺してサリンを発生させ、乗客計12人を殺害、数十人の重症を含む5500人を負傷させた。

NOMO

日本野球を飛び出し、2月13日に米大リーグ・LAドジャースに入団した野茂英雄投手の活躍は、日本にとって明るい話題となった。米世論も野茂選手を温かく見守り、野茂の演じる奪三振ショーに熱狂。全米でNOMOブームが巻き起こった。

超円高

「超円高」とは、為替レートが1ドル=80円を超えるような歴史的な円高水準が続く状態。4月19日に円の対ドルレートが1ドル=79円75銭を記録。日本の銀行にアメリカの調査機関が入り、8月終盤になると一転して回復、安値となった。その後、2011年に1ドル=75円95銭まで上昇し、戦後最高値を更新した。

安全神話

阪神・淡路大震災、オウム事件などが続発した1995年。この国のセキュリティ・システムは機能せず、安全神話に寄りかかっていただけだという事実が白日の下にさらされた。

官官接待

地方の県庁の役人(官吏)が中央省庁の役人(官吏)を接待して、自分の県に有利な予算を獲得しようとする行為。市民オンブズマンなどが情報公開制度を活用して、不正な公金支出、公費の乱用を監視する中で明らかになった。

インターネット

世界中の大小さまざまなコンピューターネットワークが相互に結び付いて形成されている、地球規模の巨大通信網。文字どおりの国際化に拍車がかかった。

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