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ことばでたどる平成

原子力安全サミットの平成8年

原子力安全サミット

先進7カ国とロシアの首脳がモスクワに集まり4月19・20日の両日、原子力の安全をテーマに開いた初の特別サミット。ロシアのエリツィン大統領が、チェルノブイリ原発事故から10周年を迎えるため、国際的に連携して原子力安全に取り組もうと提案したのがきっかけ。チェルノブイリ原発の閉鎖をめぐる「ウクライナに関する声明」と、世界的に懸念の高まる核物質の密輸騒ぎに歯止めをかけるための「核密輸防止プログラム」も合わせ、四つの文書を採択した。

O-157

ベロ毒素を作る病原性大腸菌の一つ。食中毒の集団発生がしばしば問題になる。正式名は「腸管出血性大腸菌O-157」。牛の腸内にいて、生牛肉からの感染の危険性が指摘された。

アムラー

スーパーアイドル安室奈美恵のファッションが大流行し、これをまねたギャルを「アムラー」と呼んだ。超ミニスカート、底の厚いブーツ、肩まで垂らす長い髪の三点セットがアムラーの条件。安室の引退表明から2018年9月16日に引退するまでの1年間、新旧のアムラーがコンサート会場に集まった。

自分で自分を褒めたい

アトランタ・オリンピック女子マラソンで3位に入賞し、バルセロナに続いて連続メダル獲得という快挙を成し遂げた有森裕子選手のレース後の言葉。バルセロナ以後のスランプ、故障を乗り越えた有森の努力は広く知られており、「自分を褒めたい」のセリフは素直に国民の間に受け入れられ、流行語となった。

メークドラマ

“英語の達人”長嶋茂雄監督の造語。数々の長嶋語録の中でも、最もポピュラーで感動的なセリフとなった。7月6日、首位カープとのゲーム差は11・5と開き、優勝は絶望かと思われた。ところが翌日からあれよあれよの快進撃。7月16日には「メークドラマ」宣言を発し、奇跡の大逆転優勝を飾った。

友愛/排除の論理

新しい政治と政党のスタイルを言葉のうえからも斬り込んだ鳩山由紀夫民主党代表の言葉。「友愛」は祖父で自民党初代総裁・鳩山一郎が「博愛」に当たる言葉として1955年に発言。安易な寄り集まりを排除する「排除の論理」は物議を醸した。

チョベリバ

「超very bad」を縮めてチョベリバ。「すごく最低」という意味の女子高校生言葉。強めると「チョーモロベリバ」。反対語は「チョベリグ(超very good)」で、憂うつな気分を表す「チョベリブ(超very blue)」もある。

「おやじ狩り」事件

「おやじ狩り」とは、主に集団で中年サラリーマンを狙って金品を奪うために行う窃盗、強盗、恐喝等のこと。大人社会における拝金主義という近時の世相を如実に反映した少年非行の例としてしばしば挙げられる。1月、千葉県で少年7人が「おやじ狩りに行こう」と飲食店街で金を持っていそうな酔っぱらいの中年男性を物色、後をつけて言い掛かりをつけてはバッグなどを奪っていた。3月逮捕。

援助交際

売春の新しい呼び方。ブランドの洋服や小遣い銭欲しさに、普通の家庭の女の子が売春をする。少女売春が大人に強制されて無理矢理やらされるものでなく、自ら進んで行うようになった。

薬害エイズ

厚生省エイズ研究班の班長だった安部英・前帝京大学副学長は、非加熱血液製剤によるエイズ感染の危険性を認識しながら、安全な加熱製剤の緊急輸入を抑え非加熱製剤を使い続け、業務上過失致死罪の疑いで逮捕された。厚生省と製薬会社の癒着に加え、一部の学者が加わり、産、官、学が複雑に絡んだ未曾有の複合薬害事件に発展した。

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