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ことばでたどる平成

自己責任の平成16年 

自己責任

戦闘が続くイラクで武装グループに拘束され人質になった3人とその家族に対する批判の言葉。政府の勧告を無視してイラクに向かったのだから、自業自得だという議論だった。福田康夫官房長官の参院本会議での答弁。「自己責任とは自分の行動が社会や周囲の人にどのような影響があるかを思えばわかることで、NGOや戦争報道の役割、意義という議論以前の常識に当たることだ」。外務省は、3人の帰国のための航空運賃を含む総額249万円を請求。各紙は「自己責任代300万円」と報じた。

ニート

教育中でも雇用中でもなく職業訓練中でもない人。Not in Employment, Education or Trainingの略。厚生労働省は非労働力人口のうち、15~34歳の家事も通学もしていない若年無業者を「日本型ニート」と定義。35歳以上の高齢ニートも問題化している。

人格否定

雅子さまの体調不良について、皇太子さまが異例の宮内庁批判をされた言葉。「キャリアや人格を否定するような動きがあった」。元外務省職員だった雅子妃が「別なカタチでの外交」に意義を求められたのに対して、宮内庁はお世継ぎにこだわり外遊を許さなかった。騒動は海外でも多数報道された。

ユビキタス

あちらこちらにある、という意味。語源はラテン語の宗教用語で「神は遍在する(あまねく存在する)」。いつでも、どこでも、何でも、だれでもアクセスが可能なネットワーク環境を、ユビキタスネットワーク社会という。

負け犬

未婚、子ナシ、30代以上をコラムニスト酒井順子が「負け犬」と定義。2004年の著書『負け犬の遠吠え』が大ヒット。週刊誌「アエラ」で数回にわたって「負け犬論争」を特集した。

たかが選手

読売巨人軍・渡辺恒雄前オーナー、通称ナベツネの発言。7月8日、ホテル会食後、記者のぶら下がりに答えて。「無礼なことを言うな。分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が。たかが選手だって、立派な選手もいるけどね」という文脈。「たかが」呼ばわりされたのは、労組選手会会長古田敦也選手。だが、たかが選手の後ろにいた「たかがファン」が憤慨。セ・パ統合1リーグ制の野望はご破算になった。

セカチュー

2001年4月に発売された片山恭一の小説『世界の中心で愛をさけぶ』が映画公開後、大ヒット。小説過去最多部数に。04年6月時点で306万部。

冬ソナ

2002年1月から3月に、韓国KBSテレビで放送された人気ドラマ『冬のソナタ』は、日本でも03年4月からNHK-BS2で放映。04年4月からはNHK総合テレビでも放映され、最高15%の視聴率を記録した。純愛物語や映像の美しさが中年女性層の強い支持を受け、同年6月には、日本経済新聞社が「ヒット商品番付」西の大関に主演の「ヨン様」(ペ・ヨンジュン)を選定した。「ヨン様」が来日した際には、羽田空港に7000人ものファンが押し寄せる騒ぎになるなど、一種の社会現象となった。

萌え

ある人物やものに対して、深い思い込みを抱く様子。心ときめくこと。何かに夢中になる、固執すること。フィギュア萌え、メイド萌えなど 

チョー気持ちいい

8月15日のアテネ五輪2日目。男子100メートル平泳ぎで金メダルを獲得した北島康介選手がプールから上がって素直に述べた感想。

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