格差社会の平成18年
格差社会
これまでの「一億総中流」が崩れ、所得や教育、職業などさまざまな分野において格差が広がり二極化が進んだといわれる。市場原理を重視し、改革・規制緩和を進めた小泉政治の負の側面との指摘もある。
ワーキング・プア
長期不況下、諸企業のリストラ断行と正社員採用激減により、大量のフリーターが生まれたのはよく知られている。2006年7月、NHKが放映したドキュメンタリー「ワーキング・プア││働いても働いても豊かになれない」は、フルタイムで働いても、生活保護以下の月収しか得られない人々をルポして反響を呼んだ。
骨太の方針
7月7日、政府は「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006(いわゆる骨太の方針第6弾)」を閣議決定した。この方針では、日本経済は「新たな挑戦の10年」の出発点に立っているとの認識を示し、今後取り組む構造改革の三つの優先課題として「成長力・競争力を強化する取組み」「財政健全化への取組み」「安全・安心の確保と柔軟で多様な社会の実現」があるとした。
メタボ
メタボリックシンドローム(の人)、太っている人。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪症候群のことで、肥満に高血圧、高血糖、高脂血症などが重複して発症している状態。
ハンカチ王子
夏の高校野球大会の優勝校、早稲田実業学校のエース、斎藤佑樹選手の愛称。決勝戦で夏の甲子園3連覇を狙う北海道代表の駒大苫小牧高校と対戦。延長15回の末、37年ぶりの同点再試合にもつれ込むという激闘をたった1人で投げきったという実力もさることながら、登板中にポケットから青いハンカチを取り出して汗をぬぐう姿が上品と一躍球界のアイドルに。
イナバウアー
トリノオリンピックのフィギュアスケート金メダリスト、荒川静香の得意技。つま先を180度に開いて真横に滑っていく技だが、上体を反らした独特のポージングが話題に。
品格
数学者・藤原正彦著『国家の品格』の爆発的な売れ行きとともに広まった。「論理よりも情緒を」と、日本人が備えていたはずの品格について説き、「儲かれば何でも良い」という価値観全盛の世に一石を投じた。「~の品格」と題された本も大量に出た。
エロカッコイイ/エロカワイイ
エロくてカッコイイ、カワイイ。ボンデージにバニーガール、下着など、際どい衣装で人気者になった歌手の倖田來未を評した言葉。マイナス表現としての「エロ」と、プラス表現の「カッコイイ」「カワイイ」が合体したもの。
自殺予防元年
1998年以来しばらく、自殺者が年間3万人を超えていた。特に中高年の自殺が際立って増えていた。中高年男性は人に相談せず、いきなり自殺を選ぶことが多い。主にこのような中高年男性の自殺を防ぐ意味を込めて、2006年度の予算に「自殺総合対策費」が設けられた。
脳トレ
簡単な計算や音読などで脳の活性化を図るトレーニング法の通称。東北大学の川島隆太教授が、ヒトを対象にした実験データをもとに提唱した。計算と音読を中心とする学習療法で、認知症の人の前頭葉機能が改善したとする論文がある。科学的な検証が十分ではないとする意見もあるが、他人との交流を含め、脳をさまざまに刺激することが認知症予防につながるという点に異論はみられない。