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ことばでたどる平成

「近いうちに」解散の平成24年 

「近いうちに」解散

野田佳彦首相は、一体改革法案の成立後「近いうちに」衆院を解散するとしたものの、具体的な時期は明示せず、通常国会期間中の解散もなかった。

汚染がれき

福島第一原発事故の莫大な放射能は、対処困難な放射性物質を含んだ「汚染がれき」を発生させた。従来の廃棄物法の枠組みでは、「放射性物質及びこれによって汚染されたものを除く」として除外されている。政府は焼却後の汚染された焼却灰を8000ベクレル以下であれば通常の廃棄物と同様の管理を認めた。

再稼働

福島第一原発事故以降、国内の原発は定期検査を機に次々と停止し、5月5日にはすべてが停止した。大飯原発の3号機と4号機は、ストレステストの評価が妥当とされたことから、再稼働の対象として注目を集め、6月16日、野田佳彦内閣は、電力不足による市民生活や経済への打撃を考慮して再稼働を政治決断した。

尖閣諸島の国有化

尖閣諸島5島のうち、国が保有するのは大正島のみだった。4月以降に浮上した石原都知事(当時)の東京都による購入計画への中国からの反発ともかかわって、9月11日、日本政府は尖閣諸島のうち3島(魚釣島、南小島、北小島)の所有権を民間の地権者から購入することを閣議決定した。

オスプレイの沖縄配備

10月1日、米海兵隊の新型輸送機MV-22オスプレイが沖縄の普天間飛行場に配備された。沖縄では県知事、全県議会議員、全市町村長がオスプレイの安全性に関する不安が払拭されないことに強く反発し、配備反対の意思を表明した。

忘れられる権利

ネット上の膨大な個人情報をかき集め、個人の過去の犯罪や恋愛経験を暴露するなどのプライバシー侵害が後を絶たない。これらに対し、EUは1月、「忘れられる権利」を提唱。サーバー管理会社や検索事業者に対して、個人が自分の情報の削除を要求できる権利を認め、プライバシーの保護をねらった。

生活保護の不正受給問題

生活保護の不正受給には、所得や労働能力の虚偽申告、暴力団等によるあっせん、在日外国人や貧困ビジネスによるものなどがある。7月、京都と神奈川で2組の男女が詐欺容疑で逮捕された。男女はいずれも書類上はすでに離婚している「元夫婦」。女のほうは離婚や別居で収入がなく、生活できないと虚偽の申請をし、数十万円から数百万円もの生活保護費を受給していた。実際には同居し、生計も共にしていた不正受給であった。

ワイルドだろぉ

デニムのノースリーブと短パンがトレードマークのピン芸人・スギちゃんが、勢いにまかせた取り返しのつかない行動を「ワイルドだろぉ」と自虐的に語るネタがウケた。

iPS細胞

人工多能性幹細胞。すでに分化して専門の機能しか果たさなくなったマウスの皮膚細胞に、ウイルスを使って4個の遺伝子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)を導入して、どのような細胞にもなれる能力を獲得させたもの。10月8日、iPS細胞の研究で世界をリードする山中伸弥京都大学教授らが、その功績を認められてノーベル医学生理学賞を受賞した。

東京スカイツリー

5月22日に東京都墨田区に開業した自立式電波塔として世界一高い建物。スカイツリー、ソラマチ、すみだ水族館などを含む一帯を東京スカイツリータウンと呼ぶ。最寄り駅は「とうきょうスカイツリー」駅。

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