忖度の平成29年
忖度
本来は「他人の心中をおしはかること」(広辞苑)。3月の森友学園への国有地売却について、安倍晋三首相による口利きの有無が問われた、いわゆる「森友学園問題」で出てきた言葉。権力者による言外の私利的意向に自主的に従うという意味。
フェイクニュース
一般的には虚偽の情報で作られたニュースのことだが、2016~17年のアメリカでは、ドナルド・トランプ大統領が、選挙のころからこの言葉を多用したことで広く浸透した。
プレミアムフライデー
毎月末金曜日に仕事を早く切り上げる運動。経済産業省や日本経済団体連合会などでつくるプレミアムフライデー推進協議会の主導で、働き方改革や消費拡大を目的に2月に始まった。
睡眠負債
日々の睡眠不足が借金のように徐々に積み重なる状況のこと。アメリカの研究者によって提唱された考え方。「寝だめ」は生活リズムが崩れて逆効果となり得るため、改善のためには日々の生活リズムを整え、日常の睡眠時間を少しでも多く確保すること、また昼寝を取り入れることも効果的とされている。
共謀罪
これまで三度も廃案になってきた共謀罪がテロ等準備罪と名前を変え、組織犯罪処罰法改正案として成立した。国民の賛同を得やすくするため、当初は条文の文言に入ってすらいなかった「テロ」を用いた名称に切り替え、東京オリンピック開催には必須であるとの印象を強めた。
カズオ・イシグロ
2017年のノーベル文学賞受賞者。日本出身でイギリス人の作家。受賞理由は「感情に訴える大きな力をもった小説によって、わたしたちが世界とつながっているという錯覚にひそむ底知れない裂け目を暴露した」。
35億
2017年にブレイクした女芸人、ブルゾンちえみのネタから。後輩の男性コンビとともに「ブルゾンちえみ with B」として披露。キャリアウーマン姿のブルゾンが恋に悩む女性に対して「地球上に男は何人いると思っているの?」「35億」などとアドバイスする。ネタのBGMに使われた『ダーティ・ワーク』(オースティン・マホーン)もヒットした。
うんこ漢字ドリル
小学生向けの漢字ドリルが異例のベストセラーとなった。小学校6年間で習う1006の漢字それぞれに三つずつの例文が用意され、そのすべてに「うんこ」が登場する。3月に発売されると「子どもが自主的に勉強している」「親が読んでも楽しい」などの声がSNSで拡散。発売2カ月で発行部数が累計200万部を突破した。
インスタ映え
若い女性を中心にスマートフォンの写真共有アプリインスタグラム(インスタ)を使って写真を投稿、閲覧する文化が定着。投稿写真に向く被写体はインスタ映えといわれ、重宝されている。
ポスト真実
客観的な事実よりも感情的な訴えかけのほうが世論の形成に影響力をもつ状況。その構成要素として、うそのニュースをSNSなどで拡散するフェイクニュースや、オルタナティブ・ファクト(代替的事実)という名のうそを挙げられる。
ワンオペ育児
ワンオペは、ワンオペレーションの略語で、コンビニエンス・ストアや飲食チェーン店などにおいて、店員1人が店を回している状態を表す言葉。そこから家庭のさまざまな事情により、夫婦の一方が育児のすべてや大半を負担する状態をワンオペ育児と呼ぶようになった。
〇〇ファースト
アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプが、選挙時からしきりに繰り返していた「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)」というフレーズ。小池百合子都知事の都民ファーストや、日本ファーストも話題になった。