MENU

KEY NUMBER 数字で読む2020

KEY NUMBER 数字で読む2020 ③

ニュースにはさまざまな数字が出てきます。それらの中には、後世にその時代を振り返るときとても重要な意味を持ってくるものもあるのではないでしょうか。ここでは『現代用語の基礎知識2021』の中で2020年の「キーナンバー」となる数字を集めた特集ページを再録し、全4回に分けてお届けします。(文:桧山信彦 design=kozpaq)

 

 1日当たりのZoom会議の参加者数

ウェブ会議サービスZoomを運営するアメリカのズーム・ビデオ・コミュニケーションズは2020年4月22日(現地時間)、ウェブ会議の参加者数が1日当たり3億人を超えたと発表。同じユーザーが1日に複数回利用した場合、その回数分がカウントされるので1日の利用者数は不明だが、19年12月の1000万人からすれば約30倍に急増したことになる。同社の発表によれば20年2~4月期決算は、売上高が前年同期比2.7倍の3億2816万ドル(約350億円)。有料で利用する法人向け需要の増加が収益を押し上げたという。新型コロナウイルスの感染拡大と政府による緊急事態宣言が発令される中でテレワーク導入企業が急増、在宅勤務や遠隔授業、オンライン飲み会など、幅広い用途で利用が広がった。20年4月の消費者心理は急速に悪化、09年のリーマン・ショック後の水準を大きく下回ったが、出前や家飲み、動画配信やゲーム、本といった室内型娯楽など、巣ごもり需要の高まりもみられた。

 

 厚生労働省が把握した解雇・雇い止めの人数

厚生労働省は2020年9月、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で解雇・雇い止めになった人が、8月31日時点で見込みも含め5万326人にのぼったと発表した。厚労省が1月末から都道府県労働局やハローワークの情報を集計。今後の推移を注視する必要がある。しかしこの数字は、実情からかけ離れているという見方もある。総務省が同日発表した労働力調査では、7月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の2.9%で2カ月ぶりに悪化。完全失業者数は前年同月比41万人増の197万人。6~7月で調査対象となった休業者のうち3.1%が完全失業者に、9.4%が職探しをしていない非労働力人口に移行した。緊急事態宣言で急増した休業者は総務省発表で4月に597万人と、一時歴史的にふくれあがったが、この休業者の一部が失業に移行し始めているというのである。帝国データバンクの集計によれば、9月29日時点で新型コロナウイルス関連の経営破綻は累計556件に達している。年末には失業率4%台との予測もエコノミストたちの間でささやかれ、状況は予断を許さない。

 

 年金受給開始年齢の幅を拡大

2020年5月29日、公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられることなどを盛り込んだ年金改革法が成立した。受給を遅らせることで受け取る金額を増額する。受給開始年齢は現在60~70歳の間で選ぶことができるが、22年4月以降は60~75歳にこの幅を広げ、75歳まで遅らせると84%増となる。ただし年金は雑所得として所得税が課税され、所得が多いほど税額も増えるため、その点は注意が必要。「在職老齢年金」も同時に見直し、働く60~64歳の年金を一部減らす基準を緩めた。現在は賃金と厚生年金の合計が月28万円を超えると年金が減るが、この基準を22年4月以降、月47万円に引き上げる。働き続けたほうが得だという選択肢を示し、人手不足の中で高齢者の就労を促すねらいがある。さらにパートなど短時間労働者への厚生年金の適用も段階的に拡大。厚生労働省はこれにより新たに65万人が厚生年金に加入すると試算。少子高齢化時代の年金改革は進む。

 

 検察庁法改正案に抗議するツイート数

2020年1月31日、安倍内閣は、延長規定のない検察庁法の代わりに国家公務員法の規定を使い、東京高等検察庁検事長だった黒川弘務の定年を半年延長する閣議決定をした。黒川は2月8日に63歳で定年を迎えるが、半年延長すれば7月に交代時期を迎える検察トップの検事総長に就任する道が開ける。「政権に近い黒川を検事総長に据えるためではないか」との疑念が生まれた。さらに、公職選挙法違反(買収)の罪でのちに東京地検に起訴、逮捕される河井克行前法務相と妻の案里参議院議員の地元事務所に広島地検の捜索が入ったのが、この閣議決定直前の1月15日のことで、19年の参院選では、安倍首相の肝入りで出馬、当選した案里議員側に1.5億円もの巨額の資金が自民党本部から提供されていたことが判明。4月16日には検察庁法改正案が審議入りしていたが、ツイッター上で「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグを付けた投稿が5月8日から急増、3日ほどで500万件を超え、著名人も数多く参加して話題になった。5月18日、安倍首相は検察庁法改正案の成立を断念。ツイッターデモが成功したといわれた。

バックナンバー

閉じる